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孫崎氏の『戦後史の正体』 小中学校の歴史授業が戦後史を端折る理由がわかった

世相を斬る あいば達也さんのブログより

以下転載



http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/49e2ae83f9b5894668e10ef06bda9811

孫崎氏の『戦後史の正体』 小中学校の歴史授業が戦後史を端折る理由がわかった

 以下は、孫崎亨氏の7月中旬には書店に並ぶはずの『戦後史の正体』の目次である。既に、AMAZONの販売ランキングは、全ジャンルのNO1に表示されている。これは猛烈に凄いことである。同氏はここ数年立て続けに力作を著している。見事なバイタリティーと情報収集能力と知性と解釈力で、我々に日本を取巻く、外交防衛に核心を伝えてくれている。

 例を挙げれば、『日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 (ちくま新書 905) 』、『不愉快な現実  中国の大国化、米国の戦略転換 (講談社現代新書) 』、『日米同盟の正体~迷走する安全保障 (講談社現代新書) 』、『日本人のための戦略的思考入門――日米同盟を超えて(祥伝社新書210)』、『 転ばぬ先のツイ』等々である。

 筆者も編集者のY.H氏よりパイロット版の提供を受け、店頭に並ぶ前に読ませて頂いた。此処では敢えて内容は目次の紹介に留めるが、絶対に日本人は読んでおくべき著作と推奨しておこう。筆者が敢えて同氏の著書をコラムに書く理由は、同氏が著作の中で引用する資料データの殆どが、明確な公式資料や公文書等(悲しいかな米国の)に裏打ちされた情報を基にした分析であり、解説と云う点だ。そして、それらの事実踏まえた上で、読者自身に最終的判断を委ねている点である。

≪はじめに 
序章 なぜ「高校生でも読める」戦後史の本を書くのか  日本の戦後史は、「米国からの圧力」を前提に考察しなければ、その本質が見えてきません
第一章 「終戦」から占領へ 
 敗戦直後の一〇年は、吉田茂の「対米追随」路線と、重光葵の「自主」路線が激しく対立した時代でした
第二章 冷戦の始まり 
 米国の世界戦略が変化し、占領政策も急転換します。日本はソ連との戦争の防波堤と位置づけられることになりました
第三章 講和条約と日米安保条約 
 独立と対米追随路線がセットでスタートし、日本の進む道が決まりました
第四章 保守合同と安保改定
 岸信介が保守勢力をまとめ、安保改定にものりだしますが、本質的な部分には手をつけられずに終わります
第五章 自民党と経済成長の時代 
  安保騒動のあと、一九六〇年代に日米関係は黄金期をむかえます。高度経済成長も始まり、安全保障の問題は棚上げされることになりました
第六章 冷戦終結と米国の変容 
  冷戦が終わり、日米関係は四〇年ぶりに一八〇度変化します。米国にとって日本は、ふたたび「最大の脅威」と位置づけられるようになりました
第七章 9・11とイラク戦争後の世界 
 唯一の超大国となったことで、米国の暴走が始まります。米国は国連を軽視して世界中に軍事力を行使するようになり、日本にその協力を求めるようになりました あとがき ≫(著者:孫崎亨『戦後史の正体』目次より転載)

 同氏は東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験に合格、外務省入省。英国、ソ連、米国、イラク、カナダ勤務を経て、駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使を歴任した人物である。超エリートコースを歩む資格を持ちながら、長いものに巻かれることを潔しとしなかった事が原因かどうか判別できないが、途中から外務省本流から距離を置く存在になったようである。

 「アメリカ・アズ・NO1」と云う、米国一極支配に迎合する現外務省や防衛省等々の“みんなで渡れば怖くない”と云う官僚の「空気」に一石を投じる国際情報に長けた人物で、史実の重要性を説くと同時に、その歴史の事実に蓋をする事なく、インテリジェンスを稼働させるべきであると主張している。外務省の情報屋等々の評価もあるが、歴史的事実と、その分析によって見えてくる、自国の外交防衛思考経路の重要性を説いている。筆者の肌感覚で申し上げれば、原発の危険性を主張し続けてきた小出裕章氏と印象的に重なるのである。同氏は東大法学部中退であるにも関わらず、「東大話法」に毒されなかったエリートと云う点だけでも、筆者などは好意的に同氏の著作を愛読する。

*同著のあとがきの一部も紹介しておくことにする。
≪あとがき
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。最後は駆け足になりましたが、私が外交の現場で体験した事実をもとに、日本の戦後七〇年間をふり返ってみました。「高校生にも読めるように」との依頼でしたので、できるだけわかりやすく書いたつもりですが、内容に関してはいっさい手加減せず、自分のもっている知識をすべてつめこんだつもりです。
 よく歴史とは、国家や社会、人間についての実験室のようなものだといわれます。私たちは人間の関わる分野について、ビーカーやフラスコを振って実験することはできません。その代わりに歴史の世界に入りこみ、さまざまな試行錯誤を体験する。そのことで今日の課題を知り、明日にそなえることができるのです。
 私自身、四〇年近くを外交官としてすごしましたが、本当の外交をしようと思ったら、必ず歴史を勉強する必要が出てきます。相手国とのあいだに横たわる問題を共同で解決し、友好関係を維持する。または敵対関係のなかでなんとか妥協点を見いだし、最悪の事態を回避する。どちらの場合も、本当に必要なものは情報です。そのなかでもいちばん基礎となる本質的な情報をあたえてくれるのが、歴史の研究なのです。
  『戦後史の正体』を書いたことで、私が確認できた重要なポイントは次の三点です。
①米国の対日政策は、あくまでも米国の利益のためにあります。日本の利益とつねに一致しているわけではありません。 ②米国の対日政策は、米国の環境の変化によって大きく変わります。
 代表的なのは占領時代です。当初、米国は日本を二度と戦争のできない国にすることを目的に、きわめて懲罰的な政策をとっていました。しかし冷戦が起こると、日本を共産主義に対する防波堤にすることを考え、優遇し始めます。このとき対日政策は一八〇度変化しました。 そして多くの日本人は気づいていませんが、米国の対日政策はいまから二〇年前、ふたたび一八〇度変化したのです。
③米国は自分の利益にもとづいて日本にさまざまな要求をします。それに立ち向かうのは大変なことです。しかし冷戦期のように、とにかく米国のいうことを聞いていれば大丈夫だという時代はすでに二〇年前に終わっています。どんなに困難でも、日本のゆずれない国益については主張し、米国の理解を得る必要があります。
 もうひとつ、今回、日本の戦後史を勉強し直して、うれしい発見がありました。私が思ったよりもはるかに多く、米国に対して堂々と物をいった首相たち、政治家たち、官僚たちがいたことです。これはうれしい驚きでした。ただそうした首相や政治家たちは、数は多いのですが、在任期間が短く、学者からもマスコミからも大きくとりあげられることがないのです。
 ここで戦後の首相たちを「自主」と「対米追随」という観点から分類してみたいと思います。……≫(著者:孫崎亨『戦後史の正体』の“あとがき”抜粋)

 最近遅まきながら、筆者自身も昭和史を学ばないと、と思っていただけに、同氏の多くの著作は力強い味方である。松本清張も昭和史発掘を通して、筆者に史実を伝えてくれる。権威的地位に就いた人々の情報の多くはご都合主義なものが多く、事実を把握するには邪魔な情報でさえある。今にして思うと、筆者だけでない、多くの日本人が戦後教育の社会・歴史の教育カリキュラムにおいて、大正・昭和の歴史がスッポリと抜け落ちていたことにお気づきかと思う。 昭和史年表を拡げて、松本清張、半藤一利、坂野潤治、黄文雄等々を読み耽った。

 特に同氏が『戦後史の正体』で扱ったテーマは、日米間に横たわる「日米同盟神話」をもう一度自分なりに咀嚼する、動機づけとしても納得出来る著書である。筆者の記憶が正しければ、小中学校の歴史の時間に、戦後の歴史に触れた教科書は皆無だった。否、お座なりな年表程度の記述はあったが、そこに辿りつく前に、3月学期末を常に迎えていた。教師は、「この先は読んでおくように」が文部省指導だったに違いないと、子供ながらに思ったものである。生存する政治家等々が居ると云う事実は、その人々を含めた歴史を充分に語れなかった問題点はあるとしても、教師は悉く逃げるように戦後の歴史を端折ったのである。結局、戦後史には米国や官僚にとって「不都合な史実」が盛りだくさんだったと云う事なのだろう。

 我々は、同氏が思考の原点にしている「歴史の事実」をもっと重要視する考えをしなければならないのだと思う。最終的に、各個人の結論がどうであれ、歴史だけではなく、昨日今日の現実や事実に眼を背け、“見ざる聞かざる言わざる”を座右の銘とし、“みんなで渡れば怖くない”と云う“思考停止国民”を卒業しなければならない時代に踏み込んでいるのだと思う。民自公の政治家は永田町で思考停止しているようだが、国民は、彼らの数歩先を歩まなければならない。政治家は、何といっても、その国の国民以上の人物は出てこないのだから、我々こそ肝に銘じるべきである。

 同氏の別の著書で解説されている「オフショアー・バランシング」、マクナマラの「戦略的思考」、「リアリズムと複合的相互依存関係」等々も、筆者の知らなければいけない知識になったな~と思うのである。そうそう「アデナウワァー回顧録」も読まないと…。時間軸がゴムやバネで出来ているなら、24時間を30時間くらいにしたい気分だが、光より速い物質発見が間違いであったように、1日が30時間を実現した時には、筆者は60歳でお陀仏かもしれない(笑)。今夜は、孫崎さんありがとう!と云う事で、皆さま、オヤスミナサイ!



学校教育で教えないわけだ、戦後史なんて
戦後史の正体 (「戦後再発見」双書)
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